むらさきヤギとぼく
あるさむいふゆのあさ
がっこうにつくと、ぼくのせきにむらさきのヤギがすわっていた
ぼくをみると、むらさきのヤギは「ケケー」といった
そのうちせんせいがきて「すわりなさい」といった。
しかたなく、ぼくはむらさきのヤギのひざにすわった
むらさきのヤギはほかのだれにもみえないみたいだ
さんすうのじかん、せんせいにあてられたとき、むらさきのヤギはぼくのみみもとで“マイウェイ”をハミングした
ぼくはおもわずわらい、ろうかにたたされた。
こくごのテストのときには、ひずめでつくえをひっかいていやなおとをたてた
しまいには、テストようしをたべられてしまった
きゅうしょくのときにはむらさきのヤギはチョコバターをぜんぶなめ、みそしるをひっくりかえした ぼくはなきたくなった
それでもむらさきのヤギはぼくのかおをみて「ケケー」といった
たいいくのじかんがきた 苦手なとびばこだ
おなかがいたいふりをしてけんがくしようとしたが、むらさきのヤギがぼくのせなかをおすので しかたなくれつにならんだ
むらさきのヤギとぼくのばんがきた
むらさきのヤギとぼくはおもいきりいきをすい、じょそうをつけて、
とんだ
が、むらさきのやぎとぼくはおなかでちゃくちしたので、しっかくになった
でも、ぼくははじめてとびばこ五だんをとんだのだ
「どうやってあんなにとんだんだよう」
みずのみばで、クラスのあまりしらない子たちがはなしかけてきた
むらさきのヤギとぼくは「ケケー」といい、みずをまえばのあいだからとばした
みずとばしがっせんのあと、ぼくたちはみんなろうかにたたされた
きょう二かいめだ ぼくたちはせんせいのうしろすがたに「ケケー」といってわらった
ぼくたちは、あしたからきゅうしょくをいっしょにたべるやくそくをしてかえった
いえにかえると、むらさきのヤギがいなくなっていた
「ときどきなら、またきていいよ」
ぼくはこころのなかでむらさきのヤギにいったのだった